水中に溶け出た銅イオンは、微生物を死滅させる微量金属作用を持っている。この銅の抗菌作用は昔からさまざまなところに生かされてきた。たとえば花瓶に銅を入れておくと菌や藻の発生が抑えられ、生け花が長持ちすることは良く知られている。現在でも浄水場などでは防藻対策として銅板が用いられたりしている。10円玉などの銅貨は、いろんな人の手にわたってもいつも無菌の状態である。また、とくに古くから関わりが深いのが医療の分野で、すでに古代エジプト時代には、ナイフやピンセットなどに銅が用いられていたというから驚きである。現代においても消毒盆、洗眼容器などに銅が使用され、銅の微量金属作用によって機器が衛生的に保たれている。
 
 
夏期に集団感染のニュースが舞い込む病原性大腸菌O-157。このおそろしい菌に対しても、銅はすぐれた抗菌作用を発揮することが実証されている。また、温泉施設等で猛威をふるうレジオネラ菌などに対する効果も実証されている(詳しくはこちら)。さらに最近、効果が明らかになったのが病原虫クリプトスポリジウム。これは汚染された水や手指を介して感染し、激しい腹痛や下痢を引き起こす病原微生物の一つである。日本でも集団感染を引き起こし問題となった。このクリプトスポリジウムに対しても銅イオンが感染性を不活性化することが実証されている。
このような銅のすぐれた抗菌作用を生かして、最近ではさまざまな抗菌グッズが開発されている。三角コーナーやストレーナーをはじめとして、スポンジ、タワシなどの台所用品、銅を織り込んだ抗菌靴下など、暮らしに役立つ製品として登場している。とくに台所の水回りに使用される抗菌グッズは、ヌメリや悪臭がつかないと人気を呼んでいる。食中毒が気になるシーズン。清潔を心がけたいキッチンに、銅の抗菌パワーがますます活躍しそうだ。
 
出典:社団法人日本銅センター発行『伸銅品』より
 
 
 
 
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