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 1992年にペナンに設立されたKPTEC
 
KPTEC は神戸製鋼所の100%出資の子会社として、1992 年2月27 日に設立された。なぜこの地にKPTEC を設立したかというと、当時の主要顧客であったKOMAG 社がマレーシアにあったからだという。
当時KOMAG社は、世界屈指のハードディスクメーカーとして業績を拡大しており、KPTEC はここに多くのアルミディスクを供給していた。
しかし世界中に何社もあったHDD製造メーカーは、現在は2社に集約されKOMAG社はもうない。この2社で世界のHDD 市場の9割を占めているという。そして、この2社ともマレーシアに工場があり、KPTEC は両方に納入している。KPTEC はこの2社以外にも、クチンのHDD製造メーカー、さらに車で1 時間ほどのクリム工業団地にある日本企業の工場にも納入している。KPTEC にとっては、大半の出荷先がマレーシア国内ですむので、需要の変動、品質の要求にジャストタイムで応えられるのだという。いずれにしても、アジアの、このマレーシア地区が世界のHDD 産業、とくに基板製造の主要拠点となっていることは間違いないようだ。
 
 
 ブランク材の製造工程を見学する
 
最初にブランク材の製造工程を見学させていただいた。ここでは、真岡製造所からコイル状で送られてきたアルミニウム合金板材を、ディスクの形状に合わせて型抜きすることからはじまる。目の前で次々と板材が送り出され円盤状に打ち抜かれていく。
型抜き工程
 
3.5インチのディスクが中心だが、同じ機械で2.5インチのディスクを打ち抜くこともできるという。そして打ち抜かれたディスクは積み重ねられて炉に入れられ矯正の工程であるアニーリング(焼鈍)が施される。アニーリングが終わったら、今度は一枚一枚人の手で剥がして丁寧に検査される。検査員は200um以下の微細な傷も見逃さないようにトレーニングされているとも聞く。その後機械的な測定器機で厳しく検査され、ブランク材として完成する。
2005年に業界全体でHDDの記録方式が水平記録から垂直記録に切り替わってからは、ナノオーダーが普通になり、光学顕微鏡より格段と精度の高いAFM(原子間力顕微鏡)による検査が行われている。その作業は、グラウンドにある無数の砂粒から特定の1粒を探し当てるような途方もない精度だという。また、アルミ板から打ち抜いた時に出る粉や外から入ってくる砂塵など、表面欠陥の原因となるものは、洗浄の改善や工場内の管理で徹底的にこれを排除できるよう製造環境を整えている。
 
 Gサブ工程を見学する
 

ブランク材を端面加工し、両面研削機でグラインド加工するのがGサブ(グラインド・サブストレート)の工程である。ブランク材は精度をより高めるために、内径、外径ともにエッジカッティングが施され、2度目のアニーリング(焼鈍)を経てグラインド加工の工程にはいる。この工程を実際に見学させていただいた。
ロボットで送られてきたブランク板は密閉された大きな箱のような装置に入れられる。操作は完全に自動化されており、何枚がずつまとめて回転しながら研磨されていく。

 
グラインドマシンに送り込まれるディスク グラインド工程
   
ブランクの両面が砥石で研磨され、何本も出たパイプそれぞれからクーラントと言われる潤滑液や洗浄液が研磨面に注がれている。どのくらいの番手の砥石で磨くのか、その強さは、その時間は、さらにはクーラント液の成分や量まで、厳密に管理されている。もちろんこれは企業秘密なのだという。
 
グラインド工程をコントロールする
 
その後、パットで拭いて乾燥されこの装置を出てくる。この巨大な部屋に同じようなグラインド加工する装置が何台も整然と並んでいる。
 
整然と加工装置が設置されている
 
装置から出てきたディスクはその場ですぐに検査員により厳しくチェックされる。大量生産されるので、後から不備がみつかったのでは遅い。作りたてをその場でチェックしして万一問題があればすぐそこで機械を止めて対応するためである。
 
検査風景
 

その後、ベルトコンベアーでさらにクリーン度の高い設備に送られて最終的なチェックが行われる。最終検査は目視ではなく最新の計測機械で行う。ここまででGサブの工程は終わりである。その後梱包され、ほとんどがマレーシア国内のハードディスク製造工場へ出荷されていく。 

 
   
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