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 補助記憶装置としてのHDD
 

KPTECでの取り組みについてご紹介する前に、HDD(ハードディスクドライブ)について簡単におさらいしておこうと思う。パーソナルコンピュータ用の磁気ディスクとしては、10年ほど前まではフロッピーディスクドライブが主流だった。最近はすっかり忘れ去られてしまったが、昔はほとんどのパソコンに標準装備されていた。フロッピーディスクのフロッピーというのは柔らかいという意味であり、磁気ディスクには薄いプラスチックのフィルムが使われていた。それに対してハードディスクは、アルミやガラス等の硬い「ハード」な素材で作られているので「ハードディスクドライブ」と呼ばれるようになった。遥かに大きい記憶容量を持ち、アクセス速度もケタ違いに高速である。元々はメインフレームの補助記憶装置として利用されていたが、現在ではパソコンを含めたあらゆる汎用のコンピュータのほか、デジタルハイビジョン放送のための大容量テレビなどにも使われている。大容量のデータ取り扱いにはHDDが最も適しているからだ。

 
 
HDD外観  
 
 HDDの構造はどうなっているか
 

ハードディスクドライブの基本構造は音楽レコードプレーヤーにとてもよく似ている。レコード盤に当たるのがディスク(円盤)であり、針に当たるのが磁気ヘッド、そして磁気ヘッドを搭載するアーム部分から成り立っている。アームは円盤上を1秒間に最高100回程度の速度で往復でき、これによって円盤上のどの位置に記録されたデータへも瞬時にヘッドを移動して読み取り、書き込みが可能なのである。磁気ヘッドとディスクの間にはわずかな隙間があり、この隙間が狭いほど1つの情報を書き込むスペースを小さくでき、1枚のディスクに多くの情報を蓄積することができる。ただし、接触してしまうとヘッドクラッシュの原因となるため、接触しない限度のギリギリの高さが求められるという。その高さはおよそ数nm(ナノメートル)。ヘッドを飛行機に例えると、地上わずか数mmを飛ぶような驚くべき精度が求められているのである。

 
磁気ヘッドとディスク
 
 HDDのディスク素材としてのアルミ
 
ディスクの素材としては、ディスク面に塗布した磁性膜に情報が記録されるため、基板材料自体は非磁性、つまり記録ヘッドによって磁化されずノイズを生じないことが求められる。また、高速で回転するため、軽量で強度があり、かつ平滑に研磨しやすい材料でなければならない。こうした特性を兼ね備えているのがアルミという素材なのである。
HDDのディスク素材としてはアルミのほかにガラスがある。ノートパソコンのような小型で携帯性が求められるものには衝撃に強い2.5インチのガラスディスクが用いられることが多かった。しかし最近では、ノートパソコンからタブレットへと人気が移っていったこと、また、フラッシュメモリなどSSD(ソリッドステートドライブ)の採用がすすんだことで一時の勢いはなくなってしまった。こうした流れは、アルミディスクの需要にも影響を投げかけている。デスクトップパソコンにもSSD搭載機や、SSDとHDDの併用機も増えている。しかし、依然としてアルミディスクの活躍の場は多い。それはSSDに比べて圧倒的に記憶容量が大きいからである。
 
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