株式会社神戸製鋼所アルミ・銅製品販売網機関紙

 
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ジュラルミンは主にアルミニウムと銅による合金で、1906年に発明された比較的新しい金属である。1910年代にはさっそくドイツでツェッペリン飛行船の骨組みに使われ、戦争が拡大していくとともに多くの軍用機に利用されていった。このジュラルミンが昭和の修復で大量に使われていたという。使われていたのは南北ドームの内側の天井部分。戦災に遭う前は、凝った意匠の天井様式や羽を広げた鷲のレリーフなど壮麗ぶりを誇っていたが、空襲ですべて焼失してしまった。ドームの外観は円形ドームから台形のドームに変えられることになったが、天井については多くのデザイン案の中からローマのパンテオンを模したデザインが採用された。そしてこのとき使われたのがジュラルミン板である。ジュラルミンが天井材として選ばれたのは、軽量で雨漏れや剥落の危険が少なかったためだと推測できるが、実は今回の解体で意外なことがわかった。  
ジュラルミン製ドーム天井   ドーム天井復原後の完成予想図
 
 
 疑問が残るジュラルミンの使われ方。
 
ジュラルミンが使われてはいたが、生板の状態で使われていたのである。ジュラルミンは強度を増すために薬につけて使うのが常識なのだそうだが、薬剤処理をされずに使われていたのだという。生板がそのまま残っているのはとても貴重だという。生板というのは製品以前の状態なのだそうだ。また、すべてがジュラルミンだというのではなく、ブリキの板も部分的に使われていた。なぜ生板のまま使われていたのか、またなぜジュラルミンとブリキの2種類の材料を使い分けていたのか、理由はわからないという。物資の不足があったためとも決めつけられないらしい。
とにかく昭和の修復については建設に関する資料が少なすぎるのだ。鉄が使い回しされていた時代によくこれだけのジュラルミンが集められたものであるが、その調達先もわかっていないという。終戦で戦闘機を製造するためのジュラルミンが大量に残っていたことが理由だという人もいるが、確かなことはわかっていないらしい。戦闘機(B29)の空襲で消失した天井を、日本の戦闘機になるはずだったジュラルミンでつくった、ということになれば話としては面白いのだが。さて今回の復原工事によって、このパンテオンドームはもうなくなってしまった。お役目ごくろうさま、というところか。
 
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