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ジーンズを語るにかかせないもの
カジュアルファッションの王道といえば、なんといってもジーンズであろう。ラフなTシャツにあわせても、かっちりとしたジャケットにあわせてもしっくりくる。スーツから開放された休日には、お気に入りのジーンズで外出したいものである。

「ブルー・ジーンズ」と呼ぶには必要な3要素があるそうだ。まず当然であるが、ブルーデニム生地を使っていること。次に「ファイブ・ポケット」と呼ばれる前に2つ、後ろに2つ、そして前右側の小さなウォッチ・ポケット(コイン・ポケット)を含めて5つのポケットがあることが典型的なジーンズとなる。
そして残りの一つが「リベット」である。
ポケットの開口部に幾つか付けられた豆粒ほどの小さな金属片。このリベットこそ、ジーンズをジーンズたらしめているものなのである。
 
 
ジーンズの歴史は銅リベットにあり
リベットのことを語るには、ジーンズの歴史を物語る必要がある。
19世紀後半。米国ネバダ州リノの仕立屋ヤコブ・デイビスのもとにズボンの注文が舞い込んだ。時は西部開拓時代、金鉱で働く鉱夫は過酷な労働ですぐにズボンが破けてしまうことから、丈夫なズボンを求めた。
ヤコブ・デイビスは試行錯誤の末、破けやすいポケットを銅のリベット(鋲)で補強するというアイデアを思いついた。当時の縫製技術は未発達であったため糸だけでは頑丈にポケットを補強できなかったのである。このリベットを採用したズボンは、たちまち鉱夫達の間で人気となった。
 
そしてヤコブ・デイビスは生地を仕入れていたリーバイ・ストラウス社とともに、特許「衣料品のポケットの補強に金属リベットを使用する方法」を申請した。この特許が認可されたのが1873年5月20日。ジーンズ誕生の瞬間である。人気のリーバイスのジーンズが「オリジナル・リベッティング・クロージング」と呼ばれるのは、これが起源となっている。

ところでリベットはなぜ銅製なのだろうか。鉄だと錆びるが銅は耐食性に優れている。そしてジーンズに打ち付けるには適度な柔らかさと硬さが必要となるが、銅はその特性を備えているためである。

銅以外の素材のリベットも登場しているが、一般的には銅製が多い。リベットの取り付け方法は年代とともに進化しているため、リベットを見ればジーンズの年代がわかるそう。そのため、ビンテージジーンズが好きな人はリベットに着目するという。最近ではビンテージ感を出すために、あえて従来の打ち抜き方法でリベットを取り付けることもあるそうだ。

  特許申請書の図案


時を語る銅リベット。現代でもリベットがジーンズに欠かせないのは、そこに刻まれた歴史があるからだろう。
 
 
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