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身体に欠かせないミネラル「銅」
ビタミンCにカルシウム、ウコンにローヤルゼリー、コンドロイチンにコラーゲン、ドラッグストアを覗けば、さまざまなサプリメントがずらりと並ぶ。健康のために、美容のために、お気に入りのサプリメントを日々摂取している方もいることだろう。
現在、厚生労働省によって栄養機能食品として栄養成分機能の表示を認められているものは、ミネラルで5種、ビタミンで12種となっている。これは人間の生活活動に不可欠な栄養素で、科学的根拠が医学的・栄養学的に認められたものだ。この栄養機能食品のなかに、銅も含まれていることをご存知だろうか。初めて知ったとしてもおかしくはない。銅は2004年に新たに認められたミネラルだからだ。

体内で銅がどのような働きをしているかというと、すべてが解明されているわけではないが、血液をつくったり骨や血液を正常に保ったり、脳の働きを助けたりしている。新生児は大人の2〜3倍の銅を持っていることがわかっており、生まれたばかりは成長に必要な銅を十分持っているのだが、離乳期を過ぎるとだんだん低下していくため、その後は食べ物から銅を補う必要がある。
では、銅が不足するとどうなるか。鉄は血液中のヘモグロビン合成に必要となるが、銅はこのヘモグロビン合成の、化学でいう触媒のような働きをしている。そのため銅が不足すると鉄の利用が妨げられヘモグロビン合成が低下し貧血をまねく。しかし銅不足をむやみに心配する必要はない。銅はさまざまな食品に含まれるためバランスの良い食生活を送っていれば、知らず知らずのうちに必要量が摂取できているからである。
 
成長著しい赤ちゃんのために
身体に不可欠な銅は、とくに発育の盛んな時期にたくさん必要となる。そのため妊娠した母親の血液中の銅量は通常の2倍以上になる。赤ちゃんのために銅が必要となるからである。母乳の中にも銅が含まれ、出産後の母乳には45μg/100ml銅が含まれている。
一方、粉ミルクはどうだろうか。粉ミルクは母乳に限りなく近づけるべく開発が続けられてきたものである。しかしながら、かつての日本製の粉ミルクにはわずかしか銅が入っていなかった。1976年のWHO(世界保健機構)の勧告によると人工乳の銅の含有量は40μg/100ml。これに対し、日本製粉ミルクは3.1〜7.2μg/100mlしか銅が入っていなかった。
これには理由がある。欧米では乳児栄養のために銅を添加することで必要量を確保していたが、日本では銅が食品添加物として認められていなかったため添加できなかったのである。その後、小児科学会や新生児学会で銅欠乏症が指摘されるようになった。このような問題提起を受けて、1983年には銅の添加が許可されるようになり、翌年、晴れて粉ミルクに銅が添加されるようになった。今では粉ミルクの銅添加量は320μg/100gで、これを標準調乳濃度である14%の調乳液にすると45μg/100ml。母乳と同じ銅量である。わずかな量の銅であるが、赤ちゃんにとっては大切なミネラル。みるみる成長する赤ちゃんの身体はなにより良く知っているのであろう。その働きと必要性を。

母乳中の平均銅含有量
初乳 45μg/100ml
出産後1週 45μg/100ml
出産後1か月 44μg/100ml
出産後3か月 29μg/100ml
出産後5か月 22μg/100ml
(社)日本銅センター資料より
 
 
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