Back No.に戻る
 
 
 

画像提供:
コニカミノルタプラネタリウム(株)
  星を眺めるのが嫌いな人はいないだろう。人類は昔から夜空に浮かぶあの小さなきらめきに心惹かれてきた。
ところが学校での天文学の授業となると、頭を悩ませた人も多いのではないだろうか。
どうしたら天体の動きが理解しやすいか。工夫の末生み出されたのがプラネタリウムだ。教科書で読んでも自分で観測してもよくわからなかった星の動きも、プラネタリウムで見るとイメージがわいてくる。なにより、晴れた日の夜しか観測できない星空を、雨の日も、明るい日中も、いつでも見ることができるのが魅力的だ。
 
プラネタリウム大国。日本

日本ほどプラネタリウムを見るのに恵まれた環境はないかもしれない。全国で約400ものプラネタリウムがあり、これはアメリカに次いで世界で2番目に多い。直径15m以上の大型プラネタリウムの数では世界一である。また、プラネタリウムを生産しているメーカーは世界で4社しかないが、そのうち2社が日本にあるのだ。そして家庭用の小さなプラネタリウムも大ヒット商品となっている。
プラネタリウムメーカーの数が少ないのは、投影機の作成に高度な技術力が必要だからだ。プラネタリウムは半球状のスクリーンに星の映像を投影することで星空を表現している。原理はシンプルだが、数メートル離れた球面のスクリーンに歪んだりぼやけたりすることなく星を投影するのは難しく、そのため様々な工夫がなされている。また通常の星の動きだけならば投影機を回転させることによって表現できるが、それに加えて月や惑星など軌道の異なる星があるため複雑だ。リアルな星空に近づけるため、メーカーは常に投影機の改良を重ねているのだ。

 
巨大なドームに繊細な技あり
投影機が実力を発揮するために大切なのが星を映し出すドームスクリーンだ。正確に投影するためには完全な球体であることが求められている。ところが、ドームは小さなものでも直径数メートル、大きなものでは直径30mにも達するため、重量が大きく年月が経つにつれ形が歪んでしまうことがある。それを防ぐため骨格には軽くて丈夫なアルミニウムが使われ、ドームを支えている。
ところで、普段は暗くてよく見えないが、このドームスクリーンの表面には細かな穴が無数に開いていることをご存知だろうか。通常の映画館やコンサートホールは壁面や天井にスピーカーが配置されているが、プラネタリウムでは壁面や天井が投影するためのスクリーンになっているためスピーカーを配置することができない。そこで、スピーカーをスクリーンの裏側に設置し、スクリーンに穴をあけ音を客席に通している。このスクリーンの穴には光の乱反射を抑え、星をクリアに投影する効果もある。
実はこのスクリーンもアルミニウムでできている。厚さ1mmのアルミパネルが骨格に貼り付けるようにして作られている。アルミニウムは加工がしやすいためカーブを付けたり、細かな穴も正確に形作れるのだ。無数の星々はアルミニウムによって美しく映し出されているのである。



ドームを支えるアルミニウム骨格
画像提供:
コニカミノルタプラネタリウム(株)

細かい穴の開いているスクリーン
 
大人も楽しいプラネタリウム
せっかくプラネタリウム大国にいるのに「プラネタリウムなんて子供頃行ったきり」という方も多いかもしれないが、久しぶりに足を運んでみて欲しい。大人にこそ忙しい日常のなかでゆったりと星空を眺める時間が必要ではないだろうか。星の解説を聞くと、今までどれも同じように見えていた星がぐっと身近になり、夜空を見るのも楽しくなる。
もう少し刺激の欲しい方には、最新型のプラネタリウムがおすすめだ。360度スクリーンというプラネタリウムの特性を生かして、プラネタリウムの星空にCG映像を組み合わせるシステムが開発されているのだ。映画館と異なり視界全体が映像に包まれるので、まるで自分が映像の中に入ったような臨場感を味わうことができる。このシステムを利用して、迫力あるCG映像を使った遊園地のアトラクションのような番組や、美しいCG映像と音楽を組み合わせたヒーリング番組などを大人向けに上映する施設も増えてきた。
ベテラン解説員の名調子を楽しむのもよし、新たなエンタテインメントとして楽しむのもよし。自分好みのプラネタリウムを探しだしてみてはいかがだろうか。



取材協力:コニカミノルタプラネタリウム(株)



エンタテインメント性を高めた番組の例
画像提供:コニカミノルタプラネタリウム株式会社
 
 
Back No.に戻る
 
copyright (C) kobelco all rights reserved.