■金属バットといえば、アルミが定番。
 
 
 
 
 
 
 
 アルミはいろいろなスポーツグッズで活躍しているが、まず真っ先に思い出されるのは金属バットである。金属バットはもともと野球大国、アメリカで誕生したものだ。最初、日本では輸入販売されるのみであったが、その後、アメリカのメーカーが製作したものを参考にしながら国内でも開発され、1970年に国産品が登場した。素材には、当時よりアルミが採用され続けている。アメリカでは、一時期オールチタン製の金属バットも売り出されたが、コストが高く、加工がしにくいといった問題があり、現在は市場から消えてしまった。以来、「金属バットといえばアルミ」というのが定番となっている。
 金属バットは硬式用のみならず、軟式用、ソフトボール用がある。構造的にはシンプルで、製造法もパイプ状の金属をバットの形に絞っていくというのが基本。ただし、通常のパイプ金属をそのまま絞っていくだけだと細いグリップ部分だけが極端に分厚くになってしまう。すると、当然のことながらグリップばかりが重くバランスの悪いものとなる。そこで、それぞれメーカーによっても異るが、グリップ部分の方だけ肉薄のパイプを使用したり、先にグリップ部分だけ延ばしておく、あるいは削って延ばす、などの方法がとられている。
 
■球がよく飛び、耐久性も優れている。使い方次第では、一生ものに。
 バットは形状を変えることはできないが、“なめらかな一本の丸い棒”であることが基本であり、芯円度数などは決められていないので、ボールに当たる面が広くなるよう楕円形というユニークなバットも試作されたことがあるという。しかし、結局は製品化されずに終わった。このように、形状が変えられない以上、バット開発では内部がポイントとなる。また、2000年には日本高等学校野球連盟において「金属バットの重量は900g以上」という規定が設けられた。それ以前は830gの軽めのバットが主流であったので、“重くて振りにくくなった”という意見も多くあり、重量があってもスイングバランスが良くなるようなバットができないものかと試行錯誤されてきた。その結果、かなりユーザーのニーズに対応するものができた。
 さて、金属バットのメリットは、球がより遠くへ飛ぶことと、その強さにある。木製バットは球の当りどころが悪いと折れてしまうが、金属バットは折れる心配がないので思いきり振れ、多少ずれて球が当にっても遠くへ飛ぶという点も人気のひとつ。ちなみに、木製バットは木目の関係で球を当ててはいけない面マーキングしてあるが、反対に金属バットは一箇所で打ち続けると金属疲労が起きるのでどの面でもまんべんなく使っていくのが好ましい。強度で言うと、やはり硬式用のものが一番強く、素材も強度が高い7000系が使われる。なお、軟式用では6000〜7000系が使われている。また、ソフトボール用では、バットの内側にFWパイプを入れた二重構造のものがある。これは、球が当たった時に板バネのように適度なタワミがでる。そして、それが戻るという作用から、より球が遠くへ飛ぶという構造だ。このタイプのバットは10年前ぐらいに開発されて人気を得ている。ちなみに昨年のオリンピックで活躍した女子ソフトボールチームでも金属バットは愛用され、選手達の声も製品づくりに大きく生かされているという。
 現在、ミズノでは硬式用金属バットだけでも約20アイテムをラインナップしている。これらは、ユーザーの好みには広く対応するため、全てバランスや素材が異っている。金属バットは強度と弾力性率の兼ね合いが重要で、それぞれ人によって硬さの好みも異る。製造においては、途中で熱処理を変えるだけでも硬さはかなり変わってくる。
 金属バットは耐久性が良い。草野球などで野球を楽しむ人であれば、使い方次第で一生もつほどであるとう。道具は使い込むうちに愛着が湧いてくるもの。お気に入りの金属バットを、大切に使っていくというのも良い。金属バットはただのスポーツグッズのみならず、多くの野球やソフトボールを愛する子どもたちに夢を与える力があるのかもしれない。そして、開発者たちもそれを信じて日々開発に情熱を注いでいるのである。
 
※写真提供:ミズノ株式会社
 
 
 
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